2年生の授業となると、単純なパーツを重ねるお菓子は少なくなります。
今回の授業はシュー生地やスポンジ生地のお菓子の応用編ですが、フランスの伝統菓子の中でも聖人の名前が由来のお菓子です。
一つは「Saint-honoré」サントノーレ。もう一つは「Saint-Marc」サンマルクです。人名に由来するお菓子は多いのですが、聖人名に由来する有名なお菓子はこの2つでしょう。
サントノーレはパイ生地・シュー生地の組み合わせで、ほろ苦いカラメルとなめらかなクリーム、サクサクのパイ生地を一度に楽しめるところです。カラメルのカリッとした食感がいいアクセントになる、とても美味しいお菓子です。
サンマルクは、アーモンドの風味豊かなビスキュイ・ジョコンドで滑らかなチョコレートムースとシャンティクリームをサンドするお菓子です。ミルキーな甘さとチョコレートの甘さに香ばしく焦がしたほどよい苦みがアクセントとなるお菓子です。
まずはサンマルクの仕込みから。これはサントノーレの土台となるパイ生地を伸ばしています。
その上にシュー生地をリング状に絞ります。
同時にプチシューも絞っていきます。
これらを焼き上げていきます。
サントノーレ。土台の中央にはクレームサントノーレ、またの名をクレームシブーストという、カスタードクリームにイタリアンメレンゲを混ぜ合わせたクリームを盛り付けます。
その上にクレームシャンティをサントノーレ専用の口金で絞っていきます。
そしてキャラメルでコーティングしたプチシューをリング状に絞ったシューの上に飾り付けていきます。まずプチシューにキャラメルをつけていきます。
大まかに何個乗るか確認し
どんどん接着していきます。
これらは先生の製品
次はサンマルク。まずはジョコンドの仕込みです。もう生地を伸ばすのは手慣れたものです。
焼きあがったジョコンド生地に、ムースショコラを絞っていきます。
パレットナイフで平らにします。
さらにシャンティクリームを重ねていきます。
上面のジョコンドを乗せます。
さあ、キャラメリゼ!
キャラメリゼ専用のキャラメライザーという専用の道具があるのですが、重心が先端にあり、まあまあ重い。またそれを平行に移動させるのが難しいのです。
だがしかし、それを使いこなせないとキレイにキャラメリゼ出来ないのです。
パータ・ボンブを塗り、たっぷりとグラニュー糖をかけて香ばしくキャラメリゼしていきます。
煙が出始めます
かなり煙たそうです
換気扇を回し、窓を開けても、もうこの頃は教室中煙だらけです。
ファイヤー!
ファイヤー!ファイヤー!!
あとは、ナパージュという艶出しのゼリーをかけ、丁寧にカットして完成です!
複雑とまでは言わないが、いろいろ手の込んだ工程を経て2製品が完成しました。
シンプルな味の組み合わせながらも奥深い味わいのケーキです。個人的にはサンマルクが大好きです。アーモンドの風味・しっとりとした甘さに絶妙な苦みが加わり・・・たまりません。
こういう製品をどんどん知って、パティシエとしての知識と技術を増やしていきましょう!
toru