前期ではスポンジ生地は基本的な共立て法で作ってきました。
共立て法とは、卵黄と卵白を分けないで(全卵)、一緒に泡立てる方法。 この方法で焼いた生地はしっとりしていて、きめ細かくて口溶けが良いのが特徴です。
別立て方は、卵黄と卵白に分けて、別々に泡立てる方法。 この方法で焼いた生地はふんわりとして、しっかりとした弾力あるものになります。

今回、初めての別立ての中でも「別立て絞り生地」です。 この生地の特徴は、軽い食べ口で乾燥していることです。
今回の授業ではこの生地を使ったお菓子ブッセです。
ブッセ【仏:bouchée】とはフランス語で「ひと口」という意味で、本来は一口サイズの温かいオードブルでした。フランス語の発音は「ブーシェ」で少し違いますね。
山崎製パンさんではこの名前で商品が売られていますが、亀谷万年堂さんの銘菓「ナボナ」もブッセの1種です。
別立て法は、まずしっかりとしたメレンゲを作ることが重要なポイントなので先生の説明も熱が入ります。

また、粉も合わせすぎずふんわりとした状態で終わらせるのもポイントです。
この生地を丸くコロンとした半球状に絞り表面に粉糖を振りかけ、高温のオーブンでサッと焼くことにより、表面はサクッとして中はふんわりとしたものになります。
本校のレシピでは、レモンの表皮が入るのでさらにふんわりレモンの香りのする生地になります。

丸く絞って

粉糖をふっていきます。

オーブン担当の学生が、オーブンに入れていきます。


美味しそうに焼き上がりました。

バタークリームを丸く絞り、中心にアプリコットジャムとフランボワーズジャムの2種類を絞り、サンドします。

赤いのはフランボワーズジャム

オレンジ色のはアプリコットジャムです。

日本菓子専門学校は1班3人で作業するので、全員で作っていきます。

このような仕上がりです。

2品目はブランマンジェです。 ブランマンジェ【仏:Blanc manger】とはフランス語で「白い食べ物」という意味です。 パンナコッタとよく間違えられますが、まったく別物です。
ブランマンジェはフランス発祥で、アーモンド風味が特徴。 パンナコッタはイタリア発祥で、パンナ=生クリーム、コッタ=火を通した・煮詰めたという意味の通り生クリームが主体のミルキーな味わいが特徴です。
これは、合わせる生クリームの状態の説明をしているところですね。

ゼラチンを加えた牛乳を生クリームにあわせています。

液状のものをカップに流すのもまだまだ慣れていないので真剣な表情で流しています。


授業で作るブランマンジェは上にアプリコットをスライスしたものを乗せ、アプリコットのソースを乗せて仕上げます。




表面に刻んだピスタチオを散らせて完成です。

3品目はタルト・オ・ポワール【仏:Tarte aux Poires】です。 洋梨自体が、日本ではまだあまりなじみがないフルーツですが、フランスでは最もポピュラーなタルトの1つです。

今回の授業では、サブレ生地を型にフォンサージュしてクレームダマンドを絞り、その上にスライスしたポワール(洋梨)を乗せて焼き上げます。
復習を兼ねたフォンサージュです。 生地を均一に伸ばして


型にかぶせ

生地をつぶさぬように密着させていきます。



クレームダマンドを絞り

ポワールをスライスして並べていきます。



さあ焼成です。良い色に焼けてきました。



とても美味しそうです😋🍐 飲兵衛パティシエの私 toru は焼き上がりのオーブン出してすぐに、ポワールの上にポワールの洋酒をかけて仕上げていました。こうすることにより、よりポワールの香りが立つのです。

あとは表面につや出しのナパージュを塗ります。

このひと手間が、さらにお菓子を美味しそうに見せるのです。

これをカットして完成です。


全て完成です。
別立て生地のブッセ【仏:bouchée】

アーモンド香るブランマンジェ【仏:Blanc manger】

ジューシーなタルト・オ・ポワール【仏:Tarte aux Poires】


後期に入り、タルトが続いていますがパティシエになるならフォンサージュはとても大事な技術なので、しっかり身に着けて欲しいものです。
toru