パティシエの専門学校は何を基準に選べばいい?取得できる資格と併せて解説 - 日本菓子専門学校

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パティシエの専門学校は何を基準に選べばいい?取得できる資格と併せて解説

パティシエの専門学校は何を基準に選べばいい?取得できる資格と併せて解説

パティシエは、さまざまなアイデアや技術力でケーキやお菓子を作り出す人気の職業です。

通常、パティシエになるには専門学校に通う必要があります。しかし、得られる知識や技術、資格などは専門学校によって異なるため、専門学校選びが将来を左右することもあるでしょう。

そこで今回は、パティシエの専門学校の概要から、パティシエに必要な資格や専門学校の選び方を解説します。

まずは、パティシエの専門学校について解説します。

・どんなことを学ぶ?

パティシエの専門学校によっては、以下のようなカリキュラムを設けています。

製菓理論:ケーキを作る上で欠かせない砂糖や小麦粉などの材料について深く理解する
公衆衛生学:基本的人権である「健康」について深く理解する
栄養学:日常的に食べられている食品に含まれる栄養素について深く理解する
食品学:健全な社会生活に必要な食品を嗜好・衛生・経済などの面から幅広く学ぶ
衛生法規:生涯を通じて健全な食生活を営むことができるように「食」に関する法律を学ぶ
食品衛生学:食品による健康被害の予測や予防するための知識について学ぶ
社会学:人との関わり合いによって成立した習慣や文化を学問の視点から学ぶ

パティシエの専門学校と言うと、お菓子作りをする実習をイメージする方も少なくないでしょう。しかし実際には、実習だけでなく座学によってもさまざまな知識を習得します。

・製菓衛生師とパティシエの違い

パティシエを目指す方の中には「製菓衛生師」に興味を持っている方もいるかもしれません。製菓衛生師とは国家資格の名称で、製菓技術をはじめ衛生管理やアレルギー、食品添加物などに関する知識を習得したことを証明します。

一方のパティシエは、フランス語の「pâtissier」が由来で「お菓子を製造する人」という意味を持つ単語で、職業を指します。

このように、パティシエを目指すならば「製菓衛生師」という資格があることを覚えておきましょう。

・専門学校に通わないとパティシエにはなれない?

結論として、専門学校に通わなくてもパティシエになることは可能です。

パティシエになる方法としては、専門学校に通うことが最も一般的ですが、他にも方法はいくつかあります。

「直接現場でパティシエとして修行する」方法は、学費がかからない方法といえるでしょう。

専門学校に通わずにパティシエを目指す場合には、以下のようなデメリットがあります。

・就職に関するデメリット

就職に関しては、専門学校が圧倒的に有利です。というのも、専門学校には有能なパティシエを輩出してきた実績があるため、大手企業などから多くの求人が集まります。求人が多ければ就職の選択肢が広がるため、自分の希望に合う職場を見つけやすくなるでしょう。また、現場経験の豊富なプロの教員から、就職指導を受けることもできます。

一方、学校へ通わずに現場で修行する「見習い」の募集は減少傾向にあります。また、大学を卒業していても、十分な実習経験がなければ就職は難しくなるかもしれません。

・独立開業に関するデメリット

パティシエを目指す方の中には「いずれ自分のお店を持ちたい」と考える方も少なくないでしょう。独立開業には「食品衛生責任者」の資格が必要になりますが、製菓衛生師の資格があると申請のみで取得できます。

専門学校では、資格に必要な勉強がカリキュラムに含まれているため、効率的に学習できて合格の可能性が高まります。

もし、専門学校へ通わずに働きながら独学する場合は、合格へのハードルが高くなるでしょう。

いずれ必要になる資格ならば、できるだけ早く確実な方法で取得するのが賢明です。独立開業を考えるのであれば、必要な資格や取得方法についても検討する必要があるでしょう。

・技術習得に関するデメリット

パティシエになるためには、技術力を磨く必要があります。しかし、独学や「見習い」では偏りや不足が生じてしまいます。

その点、専門学校はパティシエ育成を専門としているため、現場で使える技術を確実に習得できます。技術力はパティシエとして最も重視されるスキルなので、専門学校に通って確実に身に付けるのがおすすめです。

ここからは、パティシエと資格の関係について紹介します。

・パティシエになるには資格が必須?

医師などとは違い、パティシエには必ず取得しなくてはならない資格はありません。

しかし、関連する資格を取得することで、パティシエに必要な知識や技術を習得していることを証明できます。また、パティシエという職業に対する熱意や信頼も伝わるため、資格取得は前向きに検討しましょう。

・製菓衛生師とは

先程も少し解説しましたが、製菓衛生師は製菓技術や衛生知識が身に付いていることを証明する国家資格です。

製菓衛生師を受験するためには、以下のいずれかの要件を満たしていなくてはなりません。

  • 都道府県知事が指定する製菓衛生師養成施設で1年以上学んだ者
  • 2年以上菓子製造業に従事した者

製菓衛生師の試験科目は「衛生法規」「公衆衛生学」「栄養学」「食品学」「食品衛生学」「製菓理論及び実技」の6科目で筆記試験となります。例年の合格率は70%前後となっているため、しっかりと学習すれば取得できる資格です。

・菓子製造技能士とは

製菓衛生師と似た資格に「菓子製造技能士」があります。国家資格という点は共通していますが、以下のような違いがあります。

  • 和菓子と洋菓子の2区分があり、それぞれ1級(上級者向け)・2級(中級者向け)の等級がある
  • 試験の内容は菓子製造に関する知識や技術が中心となる
  • 実技試験がある
  • 受検要件として、2級は2年以上、1級は7年以上の実務経験が必要になる

菓子製造技能士の試験では「実技試験」があり、時間内に指定された洋菓子を作って評価が行われます。1級と2級の実技試験の作業内容は、以下の通りです。

資格の種類実技試験の内容
2級(中級者向け)材料の選定生地の調整成形加工熱加工仕上げ
1級(上級者向け)材料の選定生地の調整成形加工熱加工仕上げ製品検査デザイン積算・見積もり

このように、1級では2級の内容に加え「製品検査」「デザイン」「積算・見積もり」が評価の対象になります。

菓子製造技能士は製菓衛生師よりも受験要件が厳しく、合格率も40~50%と難易度が高いため、製菓衛生師を取得してから目指す資格と考えましょう。

パティシエの専門学校を選ぶ際のポイントを4つ紹介します。

・設備や校舎

パティシエの専門学校では実習がメインとなるので、設備の整った学校を選ぶことが大切です。教室の広さや設備の台数・種類が多いかどうかはもちろん、衛生的であることも忘れないように確認しましょう。

多くの専門学校はオープンキャンパスを実施しています。ホームページやパンフレットだけでは分からないこともあるため、積極的に参加して直接自分の目で見て確かめましょう。

・資格

これまで解説の通り、パティシエとして高みを目指すならば資格取得も検討すべきでしょう。資格の取得に力を入れている専門学校もありますが、合格率が高いということだけで学校の善し悪しを判断してはいけません。その資格が国家資格なのか民間資格なのか、また在学中に取得可能なのか卒業時に受験資格を得て後に自分で受験するのか、確認すべき点は多くあります。

そして資格の取得を目指す場合に追加費用がかかるか、それとも元からカリキュラムに含まれているのかといった費用面や、資格取得に関する具体的な支援策なども確認しましょう。

・授業時間と学費

授業時間は専門学校ごとに異なります。基礎や衛生学など共通の内容を学んだあとは、どのようなパティシエを目指したいかでカリキュラムが決まるため、目標を明確にしておきましょう。授業時間が多い学校は体系的に幅広く製菓について学べますが、授業時間が少ない学校はコンクールに向けた自主練習時間に割かれていたり、半日で授業が終わってしまったりします。年間で授業時間は何時間か、そのうち実習は何時間なのか、よく確認が必要です。

また、製菓系の専門学校は食材を購入する費用がかかるため、他業種の専門学校に比べて学費は高額になる傾向があります。専門学校によって使用する食材には違いがあるため、学費だけを見て判断することはおすすめできません。

・就職先と活躍する卒業生

専門学校を検討する際は、卒業生の進路について調べることも有効です。卒業後、どのようなお店に就職したのか、独立しているかなどを知ることで、モチベーションが上がってより意欲的に学ぶことができます。

専門学校の中には、実際に独立開業した卒業生を講師として迎えているところもあり、生の声を聞くことができます。仕事のやりがいや大変なことなど、なかなか聞けない話もあるので自分の将来をイメージしやすくなるでしょう。

パティシエになるための近道は、専門学校に通うことです。

専門学校に通わなくてもパティシエになることはできますが、専門学校に通えば現場で役立つ知識や技術を効率的に学ぶことができます。

「見習い」では技術の習得が難しく、就職や独立で苦労するリスクが高まるため注意が必要です。

パティシエの専門学校を選ぶ際は、自身の目で確かめることが大切です。設備やカリキュラム、取得できる資格などを確認し、自分に合う専門学校を選びましょう。実際に来校して進学相談ができますので、ぜひオープンキャンパスに足を運んでみてください!

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