パン職人の給料はどのくらい?仕事内容や収入アップの秘訣をご紹介! - 日本菓子専門学校

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パン職人の給料はどのくらい?仕事内容や収入アップの秘訣をご紹介!

パン職人の給料はどのくらい?仕事内容や収入アップの秘訣をご紹介!

食パンやクリームパン、あんパン、カレーパンなど、さまざまなパンを自らの手で作り出すのがパン職人の仕事です。

「将来はパン職人になりたい!」「パン作りの技術を身につけて、長く安心して働ける環境を作りたい」と考える方も多いのではないでしょうか。

一方、パン職人を目指す上では、どのくらいの給料がもらえるのかという点も気になるところです。

そこで今回は、パン職人の給料事情について詳しく解説します。

年収を上げるためのポイントもご紹介しますので、パン職人に興味のある方は、ぜひ参考にしてください。

パン職人の給料は?

まずは、パン職人の給料を確認していきましょう。

パン職人の給料と年収

パン職人の年収は、全国平均で約366万円*とされています。

厚生労働省の「賃金構造基本統計調査(令和6年)」によると、同職種の所定内給与は約26万円、年間賞与は約45万円で、合計年収は約366万円となります。

勤務先の業態(大手ベーカリー、ホテル、個人店など)や経験年数により、実際の収入には大きな幅があります。

特に、大手のベーカリーや製パン企業では、給与体系や福利厚生がしっかり整っていることが多く、安定した環境で長く働けるのが魅力です。

また、定期的な昇給制度やキャリアアップのチャンスも用意されており、将来を見据えて働きたい方にとって、安心できる職場といえるでしょう。

パン職人の年齢別の給料と年収

次に、年齢別の年収を見ていきましょう。

パン職人の収入は、年齢や経験年数に応じて徐々に上がっていく傾向があります。 

若手のうちからスキルを磨いてキャリアを重ねることで、30代には年収が350万円を超える人も増えてきます。

さらに、チーフや責任あるポジションに就けば、それ以上の収入も十分に期待できます。

パン職人は、24~29歳時点で346万円、30~34歳時点では376万円と全国平均を上回る年収となっており、スキルと経験の積み重ねによって、安定した収入を目指せる職業です。

このことから、パン職人としての経験を積んでいくにつれて、年収も上がっていくといえるでしょう。

参照:「職業情報提供サイトjobtag

参照:厚生労働省「賃金構造基本統計調査(令和6年)」

パン職人の地域別の給料と年収

続いて、地域別の年収を見ていきましょう。

ここでは人口上位10都道府県のうち、代表的な5都道府県を比較しています。

地域年収
東京都362.7万円
大阪府440.4万円
埼玉県407.7万円
神奈川県359.3万円
兵庫県429万円

※参照:「職業情報提供サイトjobtag

参照:厚生労働省「賃金構造基本統計調査(令和6年)」

物価や家賃が高く、年収も高いイメージのある東京都は362.7万円、神奈川県は359.3万円となっています。

反対に、大阪府・埼玉県・兵庫県は、全国平均よりも高く、400万円を超えています。

このことから、年収に影響するのは地域差よりも、勤務先の条件やパン職人としての経験年数であると考えられます。

パン製造・メーカー勤務の給料

パン製造・メーカーに勤務している場合は、企業規模にもよりますが、大手ならば経験年数次第で年収500万円を超えることもあります。

中小規模であれば400万円台と、全国平均の年収より少し上回ります。

特に、製造・メーカーの場合は、経験年数や技術力に応じて年収が上がる傾向が強いです。そのため、粘り強くパン作りに向き合って経験を積むことにより、年収アップを実現できるでしょう。

パン職人が独立開業した場合の収入

中には、製造・メーカーや個人店に就職するのではなく、自分のお店を持ちたいと考える人もいるでしょう。

ただし、自分でパン屋を独立開業した場合の収入には幅があります。

お店が繁盛すれば、全国平均の年収約366万円を大きく上回り、それにともなって収入も上がっていきます。独立開業は大きなチャレンジですが、しっかりとした準備と経営の知識を身につけることで成功の可能性を高められます。 

開業資金や運営費の計画を立て、専門学校や先輩のサポートを活用しながら、着実に事業を軌道に乗せることが大切です。

資格有無での収入の差

パン職人としてメジャーな資格には「パン製造技能士」「食品衛生責任者」などがあります。

会社によっては、資格を保有していると「資格手当」として、毎月決まった金額が支給される場合があります。

手当の金額は会社によって異なりますが、仮に毎月1万円の支給と考えると、資格がない人と比べて単純計算で年間12万円の差が生まれます。

10年間で120万円もの差が開くため、収入アップの可能性を広げるためにも資格を取得しておくのがおすすめです。

パン職人の仕事の内容は?

パン職人の仕事はパンを作ることですが、仕事内容はパンを作ることだけではありません。

パン作りに加え、パンをお客さまに届けるまでの様々な業務に関わっていくことになります。

以下では、パン職人の仕事の内容について詳しくご紹介していきます。

パンの製造

パンの製造は、パン職人のメインとなる仕事です。

小規模の店舗や個人店の場合、仕込み・焼成(しょうせい)・トッピング・包装など、一連の流れを一人で担当することも少なくありません。

一方、工場や規模の大きい職場であれば、一連の工程を担当制にしている場合があります。

パンのおいしさは水加減や火加減、その日の温度や湿度によっても左右されるため、細かな指示や手順をしっかり守ることが大切です。

商品開発

店によっては、商品開発を任されることもあります。

例えば、季節の果物や流行の材料を使ったパンはもちろん、シンプルな食パンであっても、ほかのお店とはちがう、魅力のある商品を考えることが大切であり、お客様に「また食べたい」と思ってもらえるようなパン作りが期待されます。

味や見た目、素材へのこだわりなど、工夫しだいでお店の魅力を広げることができます。

商品開発には自分のアイデアを形にすることへのやりがいを感じられるだけでなく、生み出したオリジナルのパンがヒットすれば、大きな達成感を得られるでしょう。

接客・陳列

小規模の店舗や個人店であれば、パン職人が自ら接客や陳列を担当することもあります。

笑顔での接客を心がけるとともに、陳列では具材が見えやすいように配置するなど、お客さまの手に取ってもらえる工夫が必要です。

また、店を訪れたお客さまからリアルな意見や感想を聞けたり、パンが売れるのを直接見られたりと、厨房にいるだけでは分からないやりがいを感じられます。

材料の管理・発注

材料の管理や発注も、パン職人の仕事の一つです。

バターや牛乳を適切な温度下で保管したり、賞味期限をこまめにチェックしたりと、パンを安全に提供するための管理を行います。

また、パン作りに使う小麦粉や塩、砂糖、バターなどの在庫状況を把握し、必要に応じて発注もしなくてはなりません。

マーケティング

マーケティングとは、自社の商品をどのように売り出すか、販売戦略を立案することです。

市場ではどのようなパンが売れているのかリサーチし、商品開発の参考にしていきます。

また、開発したパンをどのようにアピールするのかを考えていくのも大事な仕事です。

ほかにも、SNS・ホームページ・紙のチラシを使った広報作業を任されることもあります。

パン職人が給料を上げる方法は?

パン職人が給料を上げるためには、どのような方法があるのでしょうか。

以下では、パン職人が給料を上げる方法についてご紹介していきます。

ひたすら経験を積む

パン職人は、年齢とともに年収が高くなる傾向があるため、まずは現場でひたすら経験を積むことが重要です。

パン作りの基本工程は共通していても、店舗のスタイルや規模によって求められる役割や工夫はさまざまです。 

たとえば、有名ベーカリーではブランドの世界観に沿った商品開発や陳列の工夫が求められる一方で、個人店では、地域のお客様の好みに合わせたパン作りや店内レイアウトを自分たちで考える機会が多くなります。 

どちらの現場でも、パン作りに加えて店舗ごとの特色に合った提案力や柔軟性が求められる点が、この仕事の奥深さでもあり魅力といえるでしょう。

パン職人として安定した収入アップやキャリア形成を目指すなら、有名ベーカリーやホテルなどの大手店舗での経験が特に評価されやすい傾向にあります。

大手では給与体系や昇給・昇格の基準が明確で、長期的に安定した働き方が期待できるため、経験を積むことで安定したキャリアアップが見込めます。

一方、個人店では商品の企画や店舗運営など多岐にわたる業務に携わる機会が多く、実践的なスキルを磨ける点が魅力です。

それぞれの現場で得られる経験は異なるものの、自分に合った環境を見極めながらステップアップしていくことが大切です。

パンのコンクールで実績をつくる

日本国内では、さまざまなパンのコンクールが開催されており、パン職人としての技術向上や実績づくりの場として注目されています。

日本のパン業界の発展を目的とされた「ベーカリージャパンカップ」や、世界最高レベルの国際コンクール「モンディアル・デュ・パン」などの大会があります。他にも全国の学生を対象とした「世田谷スイーツ&ブレッドコンテスト」など、学生のうちから挑戦できる場も増えています。

これらの大会に参加することで、技術のブラッシュアップはもちろん、店舗のアピールや職人自身の評価アップにもつながるため、積極的にチャレンジする価値があります。

こうした挑戦しやすい大会を活用して経験を積むことは、将来のキャリア形成に大きなプラスとなるでしょう。

キャリアアップを目指す

まずは、地道にコツコツとキャリアアップを目指す方法です。

アルバイトから始めても、経験を積み正社員になることで、毎月の固定給が保証されます。

また、ボーナスを支給しているお店も多くあるため、正社員になると安定した生活を確保できるでしょう。

さらに、正社員となった後も、リーダーやマネージャー、指導者など、キャリアアップをしていくことにより、役職手当という名目で手取りが増える可能性が高くなります。

独立開業する

自分だけのお店を開業するのも、年収を上げる方法の一つです。

軌道に乗って人気店となれば、正社員として働くよりも高い収入を得ることができます。

また、営業時間や定休日を設定できたり、自分の好きなパンを開発したりと、自由度の高さも独立開業のメリットです。

資格を取得する

資格を持っていれば、資格手当が毎月支給される場合もあります。

パン職人としておすすめしたい資格は、以下の2つです。

パン製造技能士

パン製造技能士は、パンの製造技術を持つことを証明できる国家資格です。

試験は「学科」と「実技」があり、両方の試験に合格した人が、厚生労働大臣より「パン製造技能士」として認可されます。

難易度は「2級」「1級」「特級」があり、一定の学校を卒業している、数年以上の実務経験があるなど、それぞれ受験条件が定められています。上の級に合格するほど、パン職人として高い技術を保有していることの証となります。

パン職人としてスキルアップを目指すならば、ぜひ持っておきたい資格です。

食品衛生責任者

食品衛生責任者は、食品を取り扱う施設において、衛生管理を担う法的に必須の役割です。

パン工場やパン屋には最低1人配置しなければならず、特にパン職人として独立開業を目指す方は、必ず取得しなければなりません。

また、パン工場や大手ベーカリーで働く方も、資格を持っていることで資格手当がつくケースがあるので、取得がおすすめの資格です。

資格を取得するにはいくつか方法があります。都道府県が開催する養成講習会を受講するのが一般的ですが、製菓衛生師や栄養士などの資格を持っている方は、申請するだけで食品衛生責任者の資格も得られます。

ほかにも、製パンを学べる専門学校で、在学中に食品衛生責任者の資格を取得できるところもあります。

パンシェルジュ検定

パンシェルジュ検定は、民間資格です。

3級と2級においては、受験資格が設けられていないため、学生でも受験が可能です。

特に「パンシェルジュベーシック」と呼ばれる3級は、ハードルが低めに設定されており、合格率も80%を超えています。

試験範囲も、パンの基本的な製法や歴史・文化・マナー・衛生といった基本的な内容が中心なので、初めて受けるパン関連の資格としては申し分ありません。

パン職人になる方法は

パン職人になるためには、どのような手順を踏めばいいのでしょうか。

以下では、パン職人になるための方法を2つご紹介していきます。

専門学校に通う

パン職人を目指す第一歩として、製菓・製パン専門学校で学ぶ方法があります。

特に「製パン科」がある学校では、パン作りの基本から実践的な技術までしっかり学べます。

ほかにも、現場を意識した実習プログラムや、販売実習や喫茶の授業があるなど、カリキュラムが充実しているほど、就職の際に即戦力として迎えられる可能性が高まるでしょう。

在学中にパン製造技能士の受験資格が得られるかどうかも、要チェックです。

アルバイトからパン職人を目指す

まずはアルバイトとして現場に入り、実践を通じて学ぶという選択肢もあります。

できるだけ早く働きながら学びたい方には、求人を自ら探して挑戦するスタイルが向いているかもしれません。

ただし、パン職人の募集において、未経験を受け入れている求人は決して多くはありません。また、給料が低い状態でのスタートになりがちで、基礎的な知識や技術が十分でないと就職後に苦労する場面も多くなります。そのため、専門学校で基礎を身につけてから就職するのがおすすめです。

<h2>まとめ</h2>

パン職人の年収は、経験を重ねて技術を磨いていくことで徐々に向上させることが可能です。将来的には開業やキャリア転職など、自分に合った道を見つけながらステップアップを目指していきましょう。

パン職人を目指せる専門学校を探している人は「日本菓子専門学校」がおすすめです。

日本菓子専門学校には「製パン技術学科」があります。パン職人のみならず、菓子・パンメーカー社員・パティシエ・カフェオーナー・フードコーディネーターなど、生徒の幅広い進路に対応したサポート体制を整えています。

通常「パン製造技能士2級」を受験するには2年間の実務経験が必要ですが、日本菓子専門学校の製パン技術学科では、卒業と同時に受験資格が得られます。

このように、パン職人を目指す上で充実した環境が整っているため、まずはオープンキャンパスの参加や資料請求から始めてみましょう。

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