パティシエはどんな仕事?パティシエとパティシエールの違い、歴史を解説 - 日本菓子専門学校

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パティシエはどんな仕事?パティシエとパティシエールの違い、歴史を解説

パティシエはどんな仕事?パティシエとパティシエールの違い、歴史を解説

調理に関する仕事の代表として、日本でもパティシエは認知されるようになりました。国内では、パティシエの知名度は比較的最近上がりましたが、実は世界的にはかなり古い歴史がある職業です。そんな歴史ある仕事に興味を持った方のために、今回はパティシエの仕事がどのようなものか、歴史とともに解説していきます。パティシエを目指したい方はぜひご一読ください。

そもそもパティシエとは

最初にパティシエとはどのような職業かを解説します。

・パティシエとは?
パティシエとは、フランス語で「菓子製造人」の意味を持つ言葉で、名前の通りお菓子作りを専門とする職業を指します。ただし、パティシエの指すお菓子は西洋菓子のことであり、和菓子を専門とする職人のことは「和菓子職人」と呼ばれ、パティシエとは呼びません。 パティシエの本場であるフランスでは国家資格が定められている、医師や弁護士などと同じく非常に地位のある職業です。

・パティシエの働き先
パティシエはお菓子が必要とされるところに幅広く仕事があります。一般的に想像されるのは洋菓子店での勤務ですが、他にもホテルやレストランの厨房、結婚式場などさまざまです。お菓子を作るだけでなく、勤め先の規模によっては接客や事務なども担うことがあります。また、食品系の工場で新しいお菓子のレシピを開発する仕事などもあるので、一括りにパティシエと言っても働き方は多様です。

・パティシエとパティシエールの違い
パティシエールもパティシエと同じく、「菓子製造人」という意味があります。違いとしては、語源になったフランス語には名詞ごとに男性形と女性形の2つがあり、場面によって使い分けられています。パティシエが男性形なのに対して、パティシエールが女性形です。 しかし、日本語では性別によって名詞が変わらないので、男性も女性もパティシエと呼ばれています。また、性別によって使う名詞が異なるだけなので、仕事内容にも違いはありません。

パティシエの歴史

続いてパティシエの歴史について紹介します。

・パティシエの歴史
パティシエの歴史は古く、1440年にはフランスの身分規定に職業として掲載されていました。しかし、当時のフランスでは職業区分の制約が厳しく設けられており、砂糖を使うお菓子を作れず、教会などで使うためのパンや焼菓子を製造していた職人でした 。16世紀以降にはマジパンのタルト、パイ生地など焼菓子のベースとなる技術が発展し、18世紀にはシュー生地やメレンゲなどが誕生し、洋菓子文化が発展します。なお、フランス料理は基本的に砂糖を使わないため、お菓子はその分砂糖が多く使われており、甘みを強く感じられるような味付けになっています。

・パティシエの語源
パティシエの語源になったのは「オブロワイエ」という職業です。オブロワイエはチーズや魚、ひき肉などの詰め物料理(パスティ)を作る職人のことで、それが「パスティシエ」と呼ばれるようになり、パティシエと言われるようになりました。 その後、菓子製造人としてパティシエという言葉が使われるようになり、現在のような形になったとされています。フランスではケーキ屋のことを「パティスリー」と呼び、日本でも増加しつつあります。

・日本のパティシエの歴史
パティシエの本場であるフランスでは600年ほど前には存在していたのに対して、日本では2000年前後 になってから浸透しました。実際に、その頃からメディアや漫画などでもパティシエが登場するようになっています。しかし、1874年には日本初の洋菓子店とされている村上開進堂が誕生し、パティシエの言葉が浸透する以前から洋菓子は作られるようになっていました。さらに、1867年創刊の「万国新聞紙」では3月号からパンやビスケットなどの広告を掲載しています。パティシエという名前が普及していなかっただけで、職業としては日本でも150年ほどの歴史があるのです。

パティシエになるには

パティシエは歴史があり、人に喜びを与えられる職業です。これからパティシエを目指す方に向けて、最後にパティシエのなり方も解説します。

・パティシエになる方法
パティシエになるには、2つの方法があります。

<専門学校で学ぶ>
近年主流になっているのが、専門学校などの教育機関で学ぶ方法です。パティシエに必要な知識や技術を効率的に学べるようになっており、最近ではパティシエの本場である海外での研修や留学制度が設けられているところもあります。パティシエに必要な知識や技術の基礎が身に付けられるため、卒業後に勤務先での業務への理解度を高められることだけでなく、 国家資格への受験や対策ができるところがメリットです。 学校によって特徴や力を入れていることが異なるので、自分の希望に合致している学校か、入学前によく検討するとよいでしょう。

<製菓関係の仕事に就く>
もう一つは、進学せずに製菓関係の仕事に就いて技術を習得する方法です。一般的に多いのは、パティスリーなどの洋菓子店、レストランやホテルの厨房、結婚式場の調理スタッフ、製菓系の工場などです。ただし、未経験で始めることになるので、最初はお菓子作りよりも準備・片付けをメインに担当することになるでしょう。また、個人での練習時間などが取りにくい可能性がある点 に注意しましょう。働きながら製菓の技術を学べるため、給与を受け取りながら技術を磨ける点がメリットです。

・パティシエに求められること
パティシエはただお菓子を上手に作る技術があればいいというわけではありません。パティシエとして成功するには、さまざまなことが必要です。

<コミュニケーションスキル>
パティシエは基本的に複数人でお菓子を作ります。そのため、コミュニケーションスキルは必須です。報連相がしっかり取れるだけでなく、周囲の状況を見る力や気遣いなども求められます。また、チームで頑張れるように円滑な関係を築くことが大切です。チームとしての結束力がないと、お菓子作りの効率が悪くなるだけでなく、お菓子のクオリティも低下しかねません。日頃からコミュニケーションは積極的にとるようにし、信頼関係を築けるように努めましょう。

<お菓子やお菓子作りへの情熱>
当たり前のことではありますが、お菓子そのものやお菓子作りが好きであることも大切です。お菓子が好きであれば、自然とお菓子への興味や関心が湧くようになり、練習や勉強も頑張れる活力になります。また、細かなことにも気が付けるようになり、お菓子作りの上達も早くなるでしょう。

<情報収集能力>
最近はSNSの普及により、流行の移り変わりが速くなっています。しかし、SNSの普及はトレンド情報を得るために最適なツールともいえます。お菓子にもトレンドやブームは存在するので、情報収集に力を入れることで、時代に合ったお菓子を作れるようになるでしょう。また、最新の技術などを知るためにも情報収集は大切です。まだ日本にはない技術や、珍しい食材などの情報を仕入れることで、新しいお菓子作りへのアイデアにもつながります。

<根気強さ>
お菓子は同じ材料、同じレシピで作っても、その時の室温や湿度など些細なことで違いが生まれます。よって、毎日同じ品質のお菓子を安定して作るには多くの研究や努力が必要です。技術的になかなか思うようにならないこともあるかもしれませんが、根気強くお菓子作りに真摯に向き合わねばなりません。根気強さは何事にも必要ですが、妥協せずに美味しいお菓子を作るためには必須だと考えましょう。

<健康と体力>
お菓子作りには意外と体力が必要です。早朝や夜遅くの仕込みをしなければならないこともあり、重たい食材の運搬など力が必要な作業もあります。健康で体力がないと、パティシエとして働くのがつらいと感じるかもしれません。そのため、日頃から健康や体力づくりを意識することが大切です。過度な運動は必要ありませんが、筋力を付けたり規則正しい生活を送ったりすることで、安定して働けるような状態にしておくとよいでしょう。

・パティシエの学校選びのポイント
<就職の実績>
卒業後にどんなところに就職しているのかを調べることで、自分が目指すパティシエになれるかを検討しやすくなります。もし目標とするパティシエがいるのであれば、その人の経歴から調べてみるのもよいでしょう。ホームページ以外にも、パンフレットや 説明会への参加もおすすめです。

<資格の合格率>
学校によっては資格の取得にも力を入れています。パティシエの専門学校で取得できることが多いのは国家資格の製菓衛生士 ですが、他にも取得できる資格や合格率を知っておくことで、将来の仕事として活躍できる幅を広げられるでしょう。

<学費>
学費は学校選びにおいて重視する人も多いでしょう。しかし、パティシエの専門学校は食材費や設備の導入で学費が高くなりやすいので、学費は安い・高いだけで判断するのは危険です。学費を比較する際は、それぞれの学校でどのような授業を受けられるかで判断しましょう。また、実際にオープンキャンパスなどで体験することによって、より具体的に入学後の自分を想像しやすくなるので、積極的に参加してみることをおすすめします。

まとめ
パティシエは日本ではまだ比較的新しい仕事と思われやすいものの、実際にはとても古くからある歴史ある 職業です。パティシエを目指すなら、技術や知識を効率的に学べる専門学校に通うことをおすすめします。
日本菓子専門学校では、3種類のオープンキャンパスを開催しております。洋菓子・和菓子・製パンを体験できる体験コース、在校生と一緒に1日授業が受けられる授業参加コース、授業内容や学費、卒業後の進路などの相談ができるガイダンスコースがあるので、ぜひ体験してみたいコースに参加してみてください。開催日はこちらからご確認いただけます 。

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