パティシエには種類がある!それぞれの仕事内容とは? - 日本菓子専門学校

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パティシエには種類がある!それぞれの仕事内容とは?

パティシエには種類がある!それぞれの仕事内容とは?

パティシエは、お菓子作りの専門家としてスイーツを製造する職業ですが、役職や製作過程によって仕事内容が異なることをご存知でしょうか。そこで今回は、パティシエの役職や役割の種類を紹介します。それぞれの仕事内容も説明しますので、これからパティシエを目指す方は、ぜひ参考にしてください。

■役職や役割の種類

まずは、役職や役割の種類を解説します。

・役職別の種類
<シェフ パティシエ(chef-pâtissier)>
シェフパティシエとは、パティシエ全体をまとめる責任者のことです。フランス語のシェフ(chef)は英語の「chief(チーフ)」と同じ意味があります。お菓子作りの工程管理や新メニューの考案、発注作業などを担当するため、お菓子作りのスキルや幅広い知識が必要なポジションとも言えるでしょう。また、シェフパティシエは流行を取り入れた新たなアイデアを追求して、若手を育成する役割もあります。個人経営の店舗でオーナーを兼任するシェフパティシエは「オーナーパティシエ」とも呼ばれ、資金管理や設備投資にも力を入れなければなりません。

<スー パティシエ(sous-pâtissier)>
スーパティシエは、シェフパティシエに次ぐポジションの「副製菓長」を指します。シェフパティシエの補佐やメニュー計画、スタッフの育成などを担当するので、店舗の生産性を左右する重要なポジションです。また、スーパティシエはシェフパティシエの不在時に指示役を担当する場合もあり、臨機応変な対応でシェフの負担を軽減する役割も求められます。小規模店舗ではスーパティシエが配置されていないことが多いものの、一方で大規模店舗では複数人のスーパティシエが在籍している場合があるようです。

・製作過程による種類
<トゥリエ(trier)>
トゥリエは、お菓子の生地作りを担当します。スポンジ生地やパイ生地、焼き菓子など、洋菓子の要となる部分を担当するので、高いスキルや判断力が求められます。お菓子の種類に合わせて細かく分担し、フルーツの飾り切りや盛りつけを担当するケースもあるようです。

<フルニエ(fournier)>
フルニエは、生地を焼き上げる工程を担当します。ただ生地を焼き上げるだけでなく、見た目の美しさを追求する高度な技術が求められるポジションです。メニュー開発に向けて創造性を磨き、洋菓子の可能性を広げる役割もあると言えるでしょう。また、フルニエはさまざまな生地の性質や特性を理解したうえで、オーブンの温度や焼き上がり時間を調節しなければならず、お菓子の魅力を引き立てるデコレーションスキルが求められる点も特徴の一つです。

<アントルメティエ(entremétier)>
アントルメティエは、お菓子のデコレーションを担当します。フルーツやチョコレートを使ったデコレーションに加えて、生クリームの泡立てや飾りのパーツ作りを担当する場合もあります。料理を引き立て、食事の締めくくりにふさわしい華やかなデザートを追求するポジションです。

■パティシエ以外の製菓の仕事

ここからは、パティシエ以外の製菓の仕事を紹介します。

・ショコラティエ (chocolatier)
ショコラティエは、チョコレート菓子を専門とする仕事です。材料の選定やデコレーションなど、チョコレート作りに必要なすべての工程を担当します。よって、チョコレートの種類や特徴だけでなく、チョコレートの歴史や食材との相性など幅広い知識に精通しておく必要があります。また、ショコラティエはガナッシュやシュガーシロップ、フォンダンの知識を深めて、カカオの風味を最大限に引き出すチョコレートを追求し続けなければなりません。加工技術や独創性も求められるので、日頃から試行錯誤を繰り返してスキルを磨き続けることが大切です。

・コンフィズール (confiseur)
コンフィズールとは、「糖菓」と呼ばれる砂糖菓子を専門とする職種で、あめ細工やキャラメルなど、砂糖が主原料のお菓子を担当します。ヨーロッパのコンフィズールは資格の取得を求められる場合も多く、男性の職人は「コンフィズール」、女性の職人は「コンフィズーズ」と呼ばれるのが一般的です。コンフィズールは砂糖の特性を活かした加工技術が求められるので、湿度・温度の管理方法や果物の加工に関する幅広い知識をもつことが大切です。

・グラシエ (glacier)
グラシエは、「氷菓」と呼ばれる冷たいお菓子を担当する職種です。アイスクリーム(グラス)やシャーベット(ソルベ)などを担当するケースが多く、レストランや氷菓専門店では、お客様への提供時間を考えて効率よくお菓子を製造する必要もあります。なお、グラシエは専門的な技術を学べる場所が少ない傾向にあるので、製菓系専門学校でお菓子作りの幅広い知識を身につけてから、活躍が期待できる分野(アイスクリーム専門店など)への就職を目指すのもよいでしょう。

・ブーランジェ (boulanger)
ブーランジェは、パン作りを担当する職種です。ホテルやレストラン、ベーカリーに就職する場合が多く、独立を目指す場合は食品衛生責任者やパン製造技能士の資格を取得するのもよいでしょう。また、ブーランジェは食パンや総菜パン、菓子パンなど、さまざまな種類のパンを担当するので、パン生地の製造工程を学ぶ目的で製パンに特化した専門学校で技術を磨くのもおすすめです。

・和菓子職人
和菓子職人は、日本の伝統的なお菓子(団子やせんべいなど)を担当する職種です。「練る」「蒸す」「焼く」などの繊細な技術が求められ、四季の風情を取り入れた美しいデザインを追求しながら感性を磨かなければなりません。また、和菓子職人の就職先は、和菓子店や甘味処、和菓子メーカーが多く、有名な和菓子職人に弟子入りしてスキルを磨く場合もありますが、最近では伝統的な製法を活かした創作菓子の開発を担当するケースもあるようです。

・ ヴァンドゥール/ヴァンドゥーズ (vendeur/vendeuse)
ヴァンドゥールはお菓子を販売する職種です。パティシエのようにお菓子を作ることはありませんが、お客様のニーズに合わせたお菓子を提供するために、幅広い知識や専門的な接客技術を身につけて、おもてなしの心も磨く必要があります。また、ヴァンドゥールは、フランス語で「売る」という意味の動詞「vendre」が語源で、男性の場合はヴァンドゥール、女性の場合はヴァンドゥーズを使用するのが一般的です。

■職場ごとにもパティシエの種類がある

ここで、職場ごとのパティシエの種類を解説します。

・ブライダルパティシエ
ブライダルパティシエは、結婚式のスイーツ作りを専門とする職種です。ウエディングケーキや引き菓子(パウンドケーキ、ドラジェ、アイシングクッキー)を担当する場合が多く、新郎新婦の希望に合わせたオリジナルスイーツを考案する場合もあります。また、ブライダルパティシエはさまざまなニーズに応えるために創造性を磨くことが大切です。ドレスのコンセプトをもとにデザインを考えたり、新郎新婦の思い出の品をスイーツに取り入れたりして、ブライダルならではのサプライズ演出を提案するのもよいかもしれません。

・スイーツプランナー
スイーツプランナーとは、お菓子の商品開発やリニューアルを考案する職種です。新たな店舗のコンセプトや新商品の企画、お菓子ギフトの考案を担当する場合もあり、実績を積めば幅広い業務に対応できるようになるでしょう。マーケティングリサーチを進めることで、新しいメニューの開発時に適切なターゲット層や価格帯、コンセプトも検討しやすくなります。また、スイーツプランナーは洋菓子店やレストラン、ホテルなどに就職する場合が多く、キャリアアップできれば講師やアドバイザーとしての活躍も可能です。

■パティシエになるには

ここからは、パティシエになるために必要なことを説明します。

・基礎的な知識や技術を身に付ける
かつてのパティシエ業界では、中学・高校卒業後に就職して実績を積むケースもありましたが、最近では専門学校で基礎的な知識や技術を身につけて就職を目指す人が多い傾向にあります。採用側も即戦力のあるパティシエを求める場合が多く、製菓衛生師や菓子製造技能士の資格を取得すれば独立を検討する際にも有利です。また、製菓系専門学校に進学する場合はパティシエ業界の情報を多く収集でき、希望する就職先を紹介してもらいやすいメリットもあります。

・効率よく学ぶなら専門学校がおすすめ
パティシエになるための知識や技術を効率よく学びたい場合は、製菓系専門学校に通うのがおすすめです。多くの製菓系専門学校は2年制で、パティシエになるための実践的なカリキュラムが組まれており、プロのパティシエによる直接指導や留学プログラムが充実している学校も多い傾向にあります。また、製菓系専門学校では基礎的な知識や技術を身につけられるので、就職後もお菓子作りの理解を深めやすく、先輩スタッフから多くのことを吸収できる点もメリットです。

■まとめ

パティシエの仕事は、役職や製作工程ごとに分担されており、ショコラティエやブーランジェなど、パティシエ以外の仕事も多く存在します。日本菓子専門学校のオープンキャンパスでは、「体験コース」「授業参加コース」「ガイダンスコース」の中から好きなコースを選んで受講できます。公式サイトに日程が掲載されているので、将来パティシエとして働きたいと考えている方は、日本菓子専門学校のオープンキャンパスにぜひご参加ください。

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